8月25日、西山高校の塾対象説明会に参加してきた。

まだ私が若かった頃、参加者数も今よりずっと少なく、暗くて地味な説明会で、ただひたすら「特進コース」の説明ばかりという大変寂しいものであったと記憶している。

しかし、何年か前の説明会でその印象は劇的に変わった。

我々を生徒に見立てて、各コースの先生が歌ったり、踊ったりを含めた実演を行い、実際の授業での取り組みを発表されたのだ。当時の率直な感想は、「なんか、せわしないなぁ」であったが、それでも、初めて特進以外のコースにスポットが当たった瞬間であり、普通コースでも勝負できる、勝負しないといけないという、今にして思えば西山の決意表明の年だったと言えるのかも知れない。

それ以後、全コースの取り組みを伝えるという方向性はぶれることなく、教員中心、卒塾生中心、現役生中心と毎回趣向を変えながら今日まで続いている。

特に、卒業生が登場した時の説明会は、先生と教え子の楽しい漫談の中、笑いあり涙ありで、とりわけ、どのコースの卒業生も皆スピーチがとても素晴らしく、今でも大変印象に残っている。

見事に成長した姿に、入学後の教育の素晴らしさが容易に想像でき、「ここに預けておけば安心」と思わせるのに十分な説明会で、大変説得力があり、以降はコースを問わず、生徒に薦めるようになった。

さて、今年の説明会は、いきなりフルートの演奏から始まった。オーケストラの演奏者という経験をもつ音楽の先生によるものであった。素晴らしい演奏を聴きながら、(先生の層が厚いな)と感じさせるのに十分であったし、吹奏楽の顧問もしていると紹介されれば、吹奏楽部の子に「何かすごい先生いるみたいやで」と言ってみたくなる。上手いやり方である。

その後、説明会がスタートするのだが、司会は現役の2年生の生徒さんである。まずは、特進Sコースからで、今年の入学者は15名と少数ながら、なんと中学時点での評定平均は4.5だそうだ。

「奇跡の西山」と呼ばれていたが、この層で特進を形成できたとなると、もう「隠れた名店」とは言えず、立派な「有名店」である。そして、これだけの層だから、女子とは言え、当然と言うべきか理系志向が強いそうだ。

そこを見越して、数年前から数学のスペシャリストを用意しているという戦略の巧みさ。もう「英語」だけの西山とは言えない。

そのスペシャリストの公開授業を見てきたが、板書を一目見ただけで、生徒の評判が高いことは容易に想像できるものであった。また、随所に枠囲みで板書している内容が秀逸で、「先生」というより確かに「受験のプロ」である。私の稚拙な板書を大いに反省し、刺激にもなった。これだから、授業見学は止められない。

続いて「特進Aコース」の説明。そのコースの先生と、その生徒達とのやりとりでコースを紹介するというのが、今回の説明会のパターン。そして、今年から特進Aコースのコース長をつとめているのが、我々の良く知っているあのM先生。有名人なので拍手も自然と大きくなる。

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このAコースは、女子の勤勉さ、真面目さを活かせる英語と国語に重点を置き、同じ成績で他校に進んだ生徒に比べ、進学先で凌駕するという、西山のかっての特進のお家芸を引き継いだクラスといえる。

次に「こども夢コース」。個人的には、ここが最も西山らしいコースだと思っているし、数年前に我々に衝撃を与えた先生が、多く所属するコースでもある。

ピアノが全く弾けなくても、一からレッスンしてもらえる。同じ敷地内の幼稚園での実技演習がある。そして、このコースの紹介の時は、毎回、授業でのネタを披露ということで、我々が園児に戻って、それを体験するというのがお決まりとなっている。

今年は、あんぱんマンのお遊戯?で、生徒たちが歌う歌に合わせて、白髪交じりのおっさん達が懸命に、でも楽しそうにお遊戯していた。最後の「手は膝の上♪」のくだりのところで、皆姿勢が良くなっていたのには吹き出しそうになりつつも、「こういうお遊戯って、よく考えているな」と感心したりもした。

また、折り紙で「セミ」作りにも挑戦。いつも園児達に教えているのと同じペースで折り方を説明していた生徒さんたちであったが、おっさん達はどうやら園児以下であったらしく、皆苦戦しており、近くにいる生徒さんに教えを請うもの多数であった。

「難しいですか?」という彼女たちの素朴な問いかけに、会場がどっと沸いた。

とまあ、長くなってきたので、後は是非オープンキャンパスで自分の目で確かめて欲しい。前々から言っているように「女子校は当たり」である。

なぜなら、生徒募集に苦労しているからだ。苦労しているからこそ、生き残りをかけて、教員全員が一致団結し、それを乗り越えようとしている。あぐらをかいていないから、良い改革が起こる。

職場の環境も良いのだろう。先生は皆元気で、生徒達は明るい。そして、校則が厳しいのも良い。生徒側のコメントに「厳しいけど、楽しい」という台詞が出てくる学校は、やはり安心できる。

「説明会に生徒を使うなんてとんでもない。宣伝のために勉強の時間を奪うなんて」と本気で思っていた頃があった。我ながらずいぶん石頭だったなと今では思う。

当時の私に、司会の子の最後の言葉を聞かせてあげたい。

「人前で話をすることが昔から好きでした。こんな大勢の前で、話をするチャンスを頂けて感謝しています。この経験をCAになりたいという夢に活かしたいです」

同じ学校の説明会に何年も続けて足を運ぶと、変革の様子や進化が手に取るように分かる。先生、生徒、そして、学校の雰囲気が変わってきたこともだ。

「ベテランと若手のハイブリッド。それが今の西山高校だ」とは、校長先生の言葉だが、本当にその通りだと思う。両方のエンジンが上手く回っていると感じた説明会であった。