14 ダム女 (3)













先日、ノートルダム女学院の説明会に参加してきた。

むかしむかし、初めて説明会で学校を訪問させていただいた時は、シスターが大勢いるというイメージを持っていたのだが、実際は他の私学と何ら変わりはなく、驚いたような、ほっとしたような、そんな印象が記憶に残っている。

ただ、閑静な住宅街にたたずむ校舎は、まるで昭和の少女コミックの舞台そのものであり、「イライザ」や「お蝶婦人」でも出てきそうな雰囲気で、それに違わず、すれ違う生徒達のふるまいも、とても上品なものと感じた。

14 ノートルダム(3)













「一部の階級の人たちにとって、こういう女子校は無くてはならない存在なのだろう」と妙に納得して帰路についた。

あれから十何年が過ぎ、生徒の女子校離れ、公立の台頭、何より社会、すなわち保護者の価値観の変化に、立ち位置を確定出来ず、ここ何年かは、迷走を続けてきたというのが、私のノートルダムへの正直な印象である。

女子の社会進出に伴い晩婚化が進む中、「良い」就職先を求める目は女子の方が強い。世間に名の知られていない会社に、女子は目もくれないそうだ。そのために、「良い」大学を目指さざるを得ず、自然と実績の「良い」高校に女子が殺到してしまうという図式となる。

「女子教育」を売りにしても、女子教育=花嫁修行ではないにせよ、それでも、すぐに結婚するわけではない彼女たちにとって、「女子教育」<「進学実績」となっているのが現状なのだろう。

かくいう私も、女子教育を、上品な女性らしい人となれ、良き母であれ、程度の古くてベタなイメージでもってしか理解していないのだが、私と同世代が多い中学生を娘に持つお父様も、ほぼ私と同じイメージを持っているのではないだろうか。

そのイメージで言えば、少数とはいえ、いわゆる「ノートルダム的」なものを所望する層(ファンと言ってもいい)、これを「階級」というくくりで言ってしまうのには抵抗があるにはあるが、一定数いることは間違いないのである。

その中で、ノートルダムがどの方向に舵を切っていくのか。今回の注目のポイントであった。

結論から言えば、「進学」への方向を強めていくことになりそうだ。

全教室に電子黒板、ipadの導入といったハード面の充実は、まさに学習環境の強化であり、安心の進学面ということで、豊富な指定校推薦の数(これだけは伝統校の強みであり、新進気鋭の学校であったとしても、歴史の浅い学校は追随できない)を前面に押し出した事でも、それは容易に推し量れる。

ただ、多くの進学校のように、大量の課題を与えたり、遅くまで授業をしたりすると、一定の層からは、「そこまで勉強させたくない」「そんなつもりで進学させたのではない」という声が必ず上がるだろうし、容易な道のりではないと思う。

校長先生は女性の方なのだが、以前、直接お話しさせて頂く機会があり、その席で感じた事だが、校長先生の受け答え、振る舞いが、大変女性らしく、気品に満ちあふれたものであった。また、同席されていた入試部長も同じく女性の方で、やはり、現代女性、とくに塾業界でよく見かける女性陣とはまるで次元の違う気品を漂わせていた。(いや、女性塾人の方、全員がそうであるとは言ってませんし、あくまで分かりやすい例としてということで、お許しを)

ここに、1つのこたえのようなものが出ているのではと思う。

女性の社会進出にあたり、男性と遜色ない、男性の代わりのような女性ではなく、男性とは違う気品を備えた女性の社会進出こそが、今の世に必要だと強く感じている。

いずれにせよ、女子校であるからこそ出来る女子教育にも力を入れつつ、進学実績でも圧倒するという挑戦は始まったばかり。今後に期待する学校の1つです。