京都成章の説明会は、毎回盛大な拍手に包まれて終わる。

大阪の学校の説明会では、拍手は標準装備らしいのだが、そこはシャイな京都人。京都では、拍手なんてほとんど起こらない。起こったとしても「盛大」というにはほど遠っかたりする。

しかし、唯一例外的に、ここ成章の説明会では毎回心からの盛大な拍手が自然と起こる。これは、若き校長である吉竹先生の人柄と話術、そしてあふれんばかりの母校愛によるところが大きい。

下は、今年の6月に当塾で開催した「高校進学相談会」の時の写真だが、ここに写っている方が、吉竹校長先生その人である。

14 合同(吉竹) (3)













冒頭の挨拶から締めまでを、全部たった1人でされ、我々を魅了するという説明会は他になく、吉竹先生独自のものであるが、来年からは、冒頭の挨拶のみを担当され、中身の説明は若い先生に任せるのだそうだ。

吉竹節がメインでは聞けなくなることはとても残念ではあるが、後進の育成という面もあるのだろう。ただ、次年度担当する先生は、本当に大変だろうなと他人事ながら心配してしまう。

さて、先日の京都産大附属と同様、こちらでも今春の入試結果を独自分析され、それを資料化し、そこに見事な解答を導き出していた。そして、課題も含め、今後どうあるべきかという方針までも、きちんとトップとして示されてた。

先日の産大といい、今回の成章といい、やはり同じ文化が流れているというか、押さえてくるポイントは同じなのだなと、妙に感心した。流行っている学校には、それだけの何かがあるということだ。

実は、夏期講習中、偶然にも成章に進学した卒塾生と嵯峨野こすもす科に進学した卒塾生が、たまたま塾に顔を出したことがあった。久しぶりの再会である両名は、そのまま居座り、懐かしい思い出話と近況を報告し合っていた。私もその場につき合わせて頂き情報収集。子供達から聞く入学先の感想や近況というのは、とても重要なものなのだ。

両名とも第1志望で入った生徒であり、入試前に苦労した点も同じ。絶対に合格したくて必死で頑張った点も同じ。

そんな共通点の多い2人だが、嵯峨野に進学している子が「いいなぁ〜。うちも成章にすれば良かった」と何度も言っていたことで、入学後の半年間で自校をより好きにさせたのは成章の方であったという結果に終わった。

もちろん、まだ入学後半年の感想である。2年後、3年後、いや、もっとずっと先の感想は分からない。ただ、今日の説明会での吉竹節と成章生の声を合わせると、成章の試みがとても上手くいっていると感じずにはいられない。

成章は、「実(み)より実(じつ)を取る」という政策で一貫している。教育論、理想論、そんなことよりも、今、目の前にいる子の学力を上げるにはどうすればいいか、どうすれば、この子は勉強が好きになってくれるのか、ただ、それだけを考え、日々実行されているのだ。

もちろん、生徒側からすれば、賛成するもの、反対するものに分かれるだろう。だから、賛同する者が受験すればいいのであって、これだけ明確に学校の指針を示されているのだから生徒や保護者にとっては選びやすい学校である。

「部活動?水曜日と土日しかしないですよ。だから、めっちゃ弱い(笑)」

「体育祭でお面?全然ありです。普段頑張ってる、目標にきちんと向かっている生徒だから許されるし、こういう時こそ羽目を外していい」

「飲食禁止の自習室?そんな事すれば皆帰ってしまう。いかに帰らさずに学校で勉強してくれるかを考え結果、飲食オッケーになったんです」

「ゲーム禁止?そんなの無理に決まってます。だから、全ての課題を学校で終わらせてくれれば、家でゲームしたって構わないんです。」

「修学旅行で海外?うちは国内です。大学受験のためにお金は残しておかないといけないんです」

「たったひとりでも、需要があれば講座を開きます。そりゃ大赤字ですよ。でも、生徒の夢は全力でかなえてやりたいし、応援したい。合格は保証しませんよ。でも、出来るだけのことはしてやりたいんです。」

説明会での校長先生のお言葉をそのまま再現したわけではないが、概ねニュアンス的にはこのような感じである。

「毎日部活頑張れ!でも勉強も毎日頑張れ!」などと無責任で無理な要求もしない。部活も出来るよ、などと嘘も言わない。部活したい子はうちでは不幸になるからと他の学校を奨める。

資料の中の子供達ではなく、目の前にいる現実の子供達ときちんと向き合っているからこそ出てくる言葉だから、説得力もあり心に響く。それが海千山千の塾人達をして盛大な拍手へと導くのである。

このように「とんがっている」学校だが、私自身は、理にかなっているとんがり方をしていると思っているし、もし中学生に戻れば自身の進学先として選択肢に入れたいと思う学校の1つである。

校長先生のお話は必聴です。成章大好きな方ですし、就任以来、自分の信念に従って学校を引っ張ってきたという強いリーダーシップを感じます。秋は毎週土曜に学校見学がありますので、興味をもった方は是非一度足を運んでみて下さい。