もう10日ほど前の事になり恐縮ですが、関西私塾の会の恒例行事「大学訪問」に参加してきた時の話を書こうと思います。

高校受験を生業とする我々が、その先の大学の事もよく知らずに、あるいは、四半世紀も前の情報で止まったままの状態で、子供達に偉そうに高校受験を語る(実際にそういう塾人は多い)のはいかがなものか?という自戒から始まったこの企画。

個人的には、この「自戒」には大いに思い当たる節もあり、過去3回の訪問でも得るものが多かったこともあって、関西私塾の会が主催する企画の中でも40度の高熱があっても参加したい企画の1つだと思っています。

さて、今年の訪問先は「同志社大学」。じつは、ここは私の母校でもあります。

同志社大学といえば、私自身は当時も今も国公立大学の滑り止めという認識でしか持ち合わせておらず、国公立を不合格となったゆえに進学せざるを得なかった身としては、同志社大学に、何の帰属意識を持つことなく今日まで来ていたというのが正直なところ。

しかし、何十年ぶりかに母校に足を運び、村田学長の講演を聞き、初めて母校に対する帰属意識が芽生えたというか、誇りらしきものを感じたというか、「だから、日本は駄目なんだ。」とか常日頃言っている人物が、侍ジャパンの活躍に触発され、急に愛国心に目覚めたような、そんな感覚です。

特に、学長である村田教授の話はスケールが大きく、切れる、弁が立つというのは、こういう人のことを言うのでだと感じました。とにかく圧倒され、話の全てに「うんうん」と頷くしかありませんでした。完全にこちらの「教養」不足です。 私には「塾長」は、なんとか務めることが出来ても、絶対に「学長」は務めることはできない、と痛切に感じさせられました。

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教養というか、圧倒的な知識量というか、よく通る声というか、とにかく色々違いすぎました。その強力なリーダーシップでもって、我が母校を「関西」だけのローカルな大学の立場に甘んじている現状から、早稲田、慶応に匹敵するような大学へと押し上げてもらいたいですし、その可能性を大いに感じました。

さて、その後は施設見学。最近では、教育の一環ということで現役の大学生が案内をするというのが通例となっています。

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遠い昔だけれども、確かに「ここ」で過ごしたという記憶とともによみがえる当時の青臭い思いを懐かしく感じながらの散策は、とても楽しくあっという間に過ぎていきました。

しかし、重要文化財である校舎の佇まいは、私の卒業時と何ら変わることもなくそこにありましたが、やはり〇十年の歳月をただ無駄に過ごしているはずもなく、我々の頃には全くなかった概念とそれに伴う設備が2012年に完成していました。

それが日本最大となる「ラーニング・コモンズ」。学長曰く、集団で学びあうことの学習効果に注目した結果生まれた設備とのことです。


グループ学習が出来るように、仕切られたスペース。大型スクリーンにホワイトボードも設置。学生は、いつでもここで自主的に学習することが出来ます。

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一方こちらは、仕切られていない様々なタイプのオープンな自習空間。
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飲み物も完備。まるで大企業の一角です。その他にもパソコンの貸し出し、まだ珍しい3Dプリンターが無料で使用できる、あちこちにある大型スクリーン、そして、あちらこちらでは、様々なテーマの講演が行われており、どの講演内容も興味を引くものでした。

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まさに、「自主的に」学ぶという空間が提供されているわけです。学生達の態度も素晴らしく、ここの設備を与えるに相応しい態度で学習している姿に感銘をうけました。

私の時代とはまるで違う大学生の姿に、安心すると同時に、着実に教育は進歩しており、昔のやり方のまま進歩が見えないのは、「塾」の方ではないかと感じた次第です。

しかし、本日新しく入塾してきた子の質問に答えていたのですが、塾で習っている子であれば決してしないだろうな、と思える質問のオンパレード。ただ、理解は早い上に、前回の定期テストの点数も悪くはない。

でも、その単元の根本ともいうべきものが欠けているというか、早い話が分かっていない。「よく、塾に来てくれた。まだまだ間に合うぞ。良かったな。」と言うべき状態ということを考えると、進歩していないとはいえ、もはや塾無しでは、中学校の教育というものは成り立たないんじゃないかと、慢心ではなく、感じることが多い。

中学生に対する教育と大学生に対する教育、規模が違えども、それぞれがそれぞれの役割をきちんと果たそう。学長にはなれないけど、なーに、塾長でいいじゃないか、と強がりでなく思いました。

少し話がそれましたが、色々と感じ収穫の多かった今回の大学訪問。同志社大学を、将来進学する大学の一つとして以前よりは積極的に勧めております。