15 sakura (7)

当塾名物の桜がはやくも八分咲きである。満開になる日も近い。事務所からこの桜が真正面に見える。この光景は、なかなか感慨深い。

さて、今週で、新中2、中3を対象に行っている春期講習も終了となる。今年の春期講習は、両学年とも昨年とは方針を変えて授業を行った。

まず、新中3だがざっくりと中学1〜2年の復習を扱うのではなく、「関数」の一単元のみに絞った。高校生の直線の式の求め方をマスターさせ、式を求める事が苦でなくなったあと、面積や二等分などの定番問題を、演習形式で解かせた。

問題を1題解く毎に合っているかどうかを私がチェックし、「はい、正解」、「残念、違ってる。やり直し」と言うだけの授業である。ほとんど講義をしていないような授業に見えるが、楽だと思うなかれ。

事前の準備を怠ったり、生徒のレベルを把握していないと、一気にワンダーランド状態となってしまうので、実はかなり入念な準備が必要であり、かつ技術を要する授業なのだ。私だって、受験前の中3か、上位クラスを除けば満足に運用出来ているとは思っていない。また、机間巡視しながらの正解のチェック作業に加え、ここぞというタイミングでヒントを板書する必要もあり、結構大変である。

ヒントを書けば、皆はっと食い入るようにホワイトボードをのぞき込む。その様子に生徒の本気度を感じることができる。そうするための、この絶妙な問題の選定が、これまた難しい。

難問ばかり並べても全く無意味で、クラスの数名がヒントなしで完答できる問題を入れておく必要がある。難しいと感じさせつつも、わずかなヒントで、生徒の目を開かせる問題を多く選定しなければならない。その影の地道な努力によって「はい、正解!」と言われた時の、普段クールな生徒が見せる得意そうな顔を拝めることが出来るのだ。

「はい、正解」の声に、解けていない生徒は焦りを感じる。人よりも遅れることを何より嫌う、または、人より抜きんでることが何よりも嬉しい、元来、子供にはそういう面が多分にある。そのため、生徒は恐ろしいほどの集中力でもって、頭をフル回転させて問題を解いてくれる。自宅学習では、恐らくここまで必死になることはないだろう。これこそ、お金を頂いて子供を預かる意味のある環境と言える。

中には、すらすらと解けない子だっている。しかし、心配は不要である。そのような子は、悔しくて悔しくて、もしくは不安に感じて、自宅で十分に時間をかけて残りの問題を解いてくるのが常だ。そして、後日、合っているか確認してくれるのだ。その地道な努力の結果、自然と他の生徒に追いつく。

ただ椅子に座って聞いているだけの授業では、そこまで頭をフル回転させることはないし、必死になって復習をしてくれることもない。

以上は、昨日の中3練成クラスの春期講習の1コマである。そう、上位クラスの練成だからこそ成し得る授業だし、自発的な復習を織り込んだ授業を展開できたわけである。

そして、その期待通り、本日の授業前、昨日の問題を解いてきた生徒が、小学校の授業が終わったばかりで、ほっこりしていた私に、「合ってるか見て!」と言わんばかりにノートを突きだしてきた。疲労回復の時間は妨げられたが、こういう妨げられ方なら大歓迎である。

このように非常に効果的なので、私は演習形式をけっこう多用するが、新人講師には決して勧めない。単にプリントやらせて終わりということになりがちだし、早く解けてしまう子と全然解けない子とが混合した場合の処理を上手く出来るはずがないからである。

早く解き終わった子を待たせているか、時間を切り上げて出来ていない子を見捨てるかのどっちかになってしまう。それを防ぐには解答や追加プリントを数種類用意しておく必要があるのだが、新人の講師に、メイン以外の余分なプリントを作る余裕はないだろう。

新人講師がプリント授業に走りやすいのは、90分間授業し続けるだけの技術がない、そしてそれが露呈するのを恐れて、または生徒の視線に耐えられなくて授業から逃げていることが要因じゃないかと私は思っている。だから安易にプリントに走るのだ。使用プリントも出来あわせの教材のコピーだと余計始末が悪い。

授業から逃げることを防ぐためにも、新人の間はプリントはすべて宿題とし、提出させ、自分で丸つけをする。生徒のつまづいている所も分かるし、一石二鳥である。そして、授業時間内は、目一杯授業をすること。これが最も成長すると秘訣だと思う。

そもそも、悔しいとか、ヤバイとか、負けてなるものか、という空気が漂わない中で、演習を多用するのは良くない。それよりも、新人の間は、生徒一人一人に問いかけながら必死で板書する方が、授業の構成力も身につくし、主導権は常に自分にあるという状況をキープできるので、まずは板書中心の授業を薦めておくというのが、私の新人の先生へのアドバイスである。

さて、もう一つのクラスである中3の習得と衣笠クラスの混合クラス(春期のみ合同)の方では、早速、本日の練成クラスの生徒の行動を話して聞かす。話の仕方によっては、単なる嫌みになってしまうのだが、でも、その小さな差に気づき、ほんのちょっとでも行動に結びついてくれればと熱く語った。

幸か不幸か、ホワイトボードへの目の向け方、テキストの机の上の広げ方、他の生徒が発言している時の意識の持って行き方など、新人塾生や普段受け持っていない生徒達が、悪い見本のオンパレードのような様相を呈してくれたおかげで、その都度、悪い事例として紹介できたので、私の言葉に説得力を持たせることが出来た。

同じ中3でも、2つのクラス間で行う授業は、全く異なる。よって、授業準備も2種類必要となる。「教材が違う」「授業のスピードが違う」というだけが、クラスの違いではない。

両方のクラスで私がしたり顔で言っていることが正反対のケースということだってある。でも、どちらもその時点で、その生徒にとって正しいと自分が思えることを言っているのだ。

ようやく、全学年とも2クラス体制になったことで、以前の塾で持っていたクラス間の扱いの感覚が戻りつつあるのを感じている。

今年で3年目!一昨年よりも、昨年よりも良くなっていなければ、変化が何もなければ、それは「塾」とは言えないのである。更なる進化にご期待下さい。(裏を返せば、まだまだ進化、改良の余地がたくさん残っているということです)


あ!「まず」で書き出しておきながら、中3だけで、中2の春期のようすを書いてない。夜も遅いし明日書きます(^_-)